眠りにくい夜に試したい、自律訓練法

先月のいちばん暑いときより少し、眠りやすい日が増えてきたでしょうか……?眠れていますか?


まだまだ暑いし、夜なんだか目が冴えてしまって……」という方へ。ぜひ試していただきたいのが、これからご紹介する自律訓練法という方法です。


名前はちょっとイカついですが、方法はとってもシンプル

まずは、やり方だけご紹介しますね。

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眠る直前に、寝室の空間と枕にアロマミストをシュシュっとします。

ベットに仰向けに横たわります。


1、身体のチカラをスーーーっと抜きます。

2、普通に息を吸って、そのあと口をすこーしあけて長ーく吐いていきます。 (このあとは普通の呼吸でだいじょうぶです。静かな呼吸で。)

3、頭の中で「私は気持ちがとても落ち着いている」とゆっくり 落ち着いたかんじで唱える。

4、呼吸は長ーーーく吐いていきながら、「私の右腕が重たーーい」 と頭の中で数回くり返す。

5、同じように、長い呼吸で「私の左腕が重たーーい」と頭の中で数回くり返す。

眠くなったら眠気に身を任せてください 。


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これだけです。

このあたりで眠くなってきたら大成功です。


もちろん、向き不向きもありますが、早い方だとすぐに変化が。遅い人でも2~3カ月でスーッとモードチェンジできるようになります。

(具体的な方法はココまで。以下はメカニズムとこの方法のバックグラウンドでちょっとマニアックなので、興味あれば……)


実はこの方法、1932年、ドイツの精神科医シュルツ博士が、催眠の研究を元にして作り上げた手法です。当時のドイツは10年ほど前に第一次世界大戦が終了したばかり。


戦場で兵士として戦ったり、近親者を戦争で亡くしたりと強いストレスで心のバランスを崩す方が多くいました。ただ、当時心の治療として主流だったフロイト系の精神分析のカウンセリングは、現在の日本円で1回10万円以上もかかる高価なもの。しかも何度も通う必要があり、お金持ちしか利用できませんでした。

これに対し、「時間もかからず、お金の負担も軽く、自分でできる心身のケア」として作り上げられたものです。

シュルツ博士は、もともと催眠の研究をしていた際に、催眠にかけられる方が「体がぽかぽかする」「体が重くなる」とコメントしていることに着目。

順番を逆にし、体をぽかぽかさせ、重いくなっていくイメージをすると催眠状態になるのか実験したところ、催眠に近い状態になったことを応用し、この手法を作り上げていったと言われています。

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この方法、アロマミストとの相性がとてもいいんです。もう少し説明するのに、少しだけ「自律神経」のお話をさせてください。

人間の命を維持するのに重要な、体の機能のコントロールは自律神経が担当しています。

例えば、

心臓や内臓を動かす。

血圧や体温の調節する。

食べ物を消化する

血管・瞳孔・汗腺の機能の調整する。etc...


自分の意思とは関係なく働くのが、自律神経(ちなみに、身体を構成する60兆個すべての細胞の働きを調整してもいます)。

この神経は「交感神経」と「副交感神経」の2つの種類があります。「交感神経」は心拍数と血圧を上げて活動状態に。「副交感神経」は心拍数や血圧を下げて、消化管の分泌を活発にし身体を休息モードにします。このあたりは、ご存知ではないでしょうか?

交感神経と副交感神経は、シーソーのようにバランスをとって身体を安定した状態に保っています。でも、強いストレスや、ストレス状態が長期間に及ぶと、このシーソーのバランスが不安定になってしまいます。

眠れない状態も、このバランスが不安定だということ。アロマミストは、いい香りでこのバランスを整えゆったりさせるべく開発していますが、この働きをさらに後押しするのが、この訓練法なんです。

自律神経訓練法は、身体をリラックスさせることで心もリラックスさせ、自律神経のバランスを整える技術なんです。


少しでも、ヒントになればうれしいです。

今夜も、ぐっすり眠れますように。


※参考書籍 『自律訓練法の実際』佐々木雄二著/創元社
※取材協力 長年、心療内科での仕事に携わってきた経験をいかして、心の健康のお手伝いができたらと自律訓練法をはじめ様々な講座を開催。(希望によりお名前の公開は控えます)


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